モチベーションクラウドのサイトより
サイバーエージェント流 成長するしかけ (日本実業出版社) や、クリエイティブ人事 個人を伸ばす、チームを活かす (光文社新書) など、以前ちょびっとマネジメントで悩んでいるときなどに読んで、なるほど!となって実践したみたり、ブログをいつも拝見している、サイバーエージェント社の曽山さん。
大尊敬していて、以前からお話を聞いてみたいなぁと機会を伺っていたところ、リンクアンドモチベーション社主催のセミナーで登壇されると聞き、これや!となり、先日行ってきました。『モチベーションクラウド』なるサービスも気になったし。ソーシャルとか投稿OK!ってことだったので、今回はその感想を、てらもと的、曽山さんのササった言葉などご紹介します。
セミナー概要
- タイトル:経営者はCHRO(最高人事責任者)をどう生み出すべきか サイバーエージェント取締役曽山哲人氏×リンクアンドモチベーション執行役員麻野耕司
- 日程: 2017年1月30日(月)19:00-21:30
- 会場:六本木アカデミーヒルズ
- 主催:リンクアンドモチベーション
ササった言葉集
人と組織で業績を上げるのが人事の役割
まずはこれ。ここまで言い切るのすごくないですか?業績ですよ業績。P/Lヒット。あるあるなのが、人が好きとか、みんなが働きやすい会社とか、いい会社にしたいとか、たくさん採用したいとか、そんな事は良く耳にしますが、その先にある本質的な目的はこれですよね。
ぼく自身、人事をちょっとやってたときなど、わかってはいるものの、じゃあそのためアプローチを本当にできてたかと聞かれるとそうではないし、まして口には出せなかったです。こうした場で堂々と「業績」とまで言い切る人なかなか居ないのでは?と思い、発言を聞いた瞬間ビビビと電気走りました。すごい。
株式会社である以上、事業の成長や、利益をしっかり株主に還元しないといけないわけで、その本質をしっかり人事組織からのアプローチとしても担保するという、言うのは簡単かもですが、行うのはすごい難しいなぁと思いました。
はじめて自分の提案ができるまで6年かかった
2005年に人事の責任者になられて、最初は空回り、現場とのコミュニケーションエンジンとしての役割の重要性に気づき・・・などの紆余曲折あり、やっと自身の提案から施策を実行できるようになるまで6年かかったというお話からの一言。
「最初、人事辞めたいと思ったこともある」との発言などもあり意外でした。勝手ながら、営業部門から人事の責任者への配置転換当初からバリバリやられていたイメージがあったので、曽山さんでも6年!という事実から、戦略人事の難しさを非常に感じる一言でした。
人事は制度をロジックで作るけど社員は感情で判断する
こちらは新しい仕組みとか制度を社内広報する前に、人事内で「シラケるイメージトレーニング」を必ずするというお話から。だれが、どんなセリフで「シラケる」かを人事でとにかく洗い出して、それを踏まえ、社内広報時の説明の内容とか、伝え方などを検討するといったお話の中で、「人事は制度をロジックで作るけど社員は感情で判断する。そのギャップを意識していかに埋めるかが重要」と仰っていました。
例えば、ぼく自身の経験から考えても、就業規則や、社内制度の検討しているときなど、「会社にとっても、働く人にとっても、これがベスト!」って思い込んでいたし、案の定、その制度リリースした時、微妙な反応や場合によってネガティブな反応をもらったりしたこともありました。
でもその時の反応の一つひとつは、最初に想定できたと言えばできた内容。人事施策は「設計2割、運用8割」とも仰っていましたが、運用にリソースをきちんと使い、その施策がワークする部分まできちんとやりきる(失敗だと思ったらさっと辞めることも含めて)ことも重要だなあと思いました。
その他、なるほどとか思ったこととか感想サマリー
- 終身雇用がくずれ、人材採用手法が多様化していることから、それまでのオペレーティブな人事のありかたから、戦略的な人事が求められている
- そんななか、CHRO(Chief Human resource Officer)を登用する会社が欧米では増えており、国内でも採択する会社が現れている
- 戦略人事は、自社の生業(ビジネスモデル)を理解して、その上で戦略を考えることが重要
- CHROに求められる3つのことは、事業と人事のリンク、未来と人事のリンク、数字と人事のリンク
- 「終身雇用にしたい」という観点から、「ミスマッチ制度」の施策につながった
- 「GEPPO(ゲッポー)」は毎週観測することで、定性情報を定量情報に変換している
- CAでやっていることをそのままやっても絶対にマッチしない
- 曽山さんですら、2005年に人事の責任者になってから、試行錯誤があり、自身の提案が実行できるまで6年かかった
- 曽山さんは、さすがに全員とは無理だが、今でも毎年1,000人の従業員と年一回は直接コミュニケーションを取っている(!!!)
- 戦略人事には定量データも必要
ところでモチベーションクラウドなかなか良さそう
ダイエットする時、体重測りますよね?会社の状況や業績はB/S・P/Lで見ますよね?でも組織や人事は?と、宣伝文句そのままなのですが、確かにそうで、人数が多くなればなるほど、人事や組織に対する、ボードの方々の認識と、メンバーの認識は乖離しやすいし、たとえ少人数の時であっても、ボードから見た現場の姿は「主観」でしかなく、感じ方次第な部分があると思います。そこに定量数値からの分析を可能にするのは、そうした状況から脱却し、課題解決の糸口にできるのでは?と思いました。
とういうわけで
いろんな学びのあったセミナーの、行ってみた投稿でした。マネジメントにつまづいたりしたら、また曽山さんの本を読んでみよう!と思いました。頑張ります!