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(image by Mike)

nanapiでの社歴が2ヶ月先輩のさいそうという友人がいるのですが、この3月末でnanapiを退職し、起業をするというので、その会社設立にまつわる手続きをちょびっとお手伝いしました。法人登記と一言に言っても、色々考えないといけないことや、決めなきゃいけない事がたくさんあったりするので、その内容をまとめてみます。

なお、自分たちで全部やるという手もあったのですが、今回は早く確実に行いたかったので、司法書士さんに最終的な手続きはお願いしました。

前提

会社を作る際には、色んなケースがあると思います。そのケースによって、考え方などが異なってくると思うので、まずは今回の法人登記の前提を整理しておきます。

  • まずはスモールスタート
  • 構成員は代表取締役社長一人で
  • 事業内容はWEB全般で、具体的には動き出してから考える

みたいな感じです。なるべくライトに、だたし、今後の拡張性を考慮して柔軟に動けるようにしておくことを意識していました。

司法書士さんにお願いするメリット

冒頭でも記載しましたが、司法書士さんに最終的な手続きをお願いしました。そのメリットとしては、

  • 色々難しい手続き等を、スケジュール通りに確実に行える
  • 費用はかかるものの、すごく負担になるほどでもない

の2点に尽きるかと思います。ちょっと細かく解説します。

スケジュール通りに確実に行える

会社手続きは、それなりに専門的な文書の作成が求められます。代表的なものとして、「公証人役場にて、定款の承認を受ける」プロセスと、最後の「登記申請」のプロセスがあるのですが、その部分でNGが出ると、文書を作りなおして、スケジュールを引き直して・・・。となったりします。

今回は、登記申請したい日にちが決まっていたことと、そこまで余裕を持った日程があったわけではなかったので、この部分をお任せすることによって、確実にこなせました。

また、社長が自分で頑張れば行えなくはない内容ですが、そこでがんばるよりも、これからの会社の事業などの、本業の方に限られたリソースを使ったほうがいいのではないかと思います。

費用はすごく負担になるほどでもない

ここは、金銭感覚次第かもしれません。自身でやった場合も、そこそこお金がかかります。大体25万円くらいでしょうか。これに、司法書士さんへのフィーを追加すると、30万円くらいかと思います(司法書士さんによって、異なる部分なので要確認です)。

その差、5万円前後です。上記のスケジュール順守と立上げ時のリソース確保といった観点と、この5万円くらいの価格の天秤での判断になると思います。個人的には高いなぁといった感覚はありませんでした(自分で払ったわけではありませんが)。

司法書士さんにお願いするまでに決めておいた方がいいこと

それでは、司法書士さんに依頼をするまでに決めておいたほうがいいことをまとめておきます。主なものとしては、

  • 商号(社名)
  • 事業内容(目的)
  • 本店所在地
  • 事業年度
  • 出資額

です。それぞれ細かく見て行きます。

商号(社名)

ずばり、会社の名前を何にするかです。好きな言葉から、事業の内容から、などなど、色んな決め方があるかもしれません。子供の名前を考えるのに近いかもしれません。子供の名前の場合、姓名判断とかを気にするかもしれませんが、会社名の場合、

  • 似ている社名の会社があるか
  • 社名のドメインが取得できるか

などは気にしておいたほうがいいかもしれません。同一住所に同じ社名の会社があると、登記ができない点も、注意が必要です。

また、社名の英語表記も検討しておいたほうがいいです。英語表記の場合、社名そのものよりも、「Co., Ltd.」や「Inc.」などでちょっと悩んでしまいます。以下のまとめが参考になりました。

【自分の会社】英語表記の会社名につく「Co., Ltd.」や「Inc.」の違い【間違ってない?】 - NAVER まとめ

事業内容(目的)

その会社は何をするのか?といった事を決めておかなくてはいけないのですが、ここは、「インターネット関連でいろいろやりたい!」や、「ラーメン屋&通販で麺業界に確変を起こしたい!」とかアバウトでも大丈夫です。まだ会社が出来上がった段階で事業内容がはっきりしすぎているのも変な話かもしれません。

事業内容は、「目的事項」として箇条書きで定款に記載することになるのですが、例えば、「インターネット関連でいろいろやりたい!」とかだと、例としては以下のような内容になります。

1. WEBサービスの企画、開発及び運営

2. インターネットホームページの企画、編集、制作及び運用

3. ウェブサイト構築、デザイン制作業務

4. インターネット広告事業

5. インターネット、カタログ等による通信販売

6. コンピュータによる財務及び税務データの計算及び保管

7. コンピュータのソフトウェアの開発、制作及び販売

8. ソフトウェアのコンサルタント業

9. 電子出版物、書籍、雑誌、印刷物の企画制作、編集、出版及び販売

10. 決済代行業、電子決済サービス業

11. 前各号に関連または附帯する一切の事業

事業として取り組んで行く事などを司法書士さんに伝えると、これらの素案は作成してくれたりします。

また、目的事項のサンプルとして、以下のようなサイトが業種別にまとまってたりして便利でした。

定款の事業目的データベース | 株式会社の設立 | 顧問契約不要で株式合同会社を格安設立 神戸会社設立アシスト

本店所在地

これは会社の住所をどこにしよう?ということです。オフィスを設立時から構えるならその住所でいいと思いますし、最初は自宅でも問題はないかと思います。

ただ、移転などを行うと、住所変更をまた登記しなくてはいけないので、その手間を考えると、「しばらくはここで」と思える住所の方がいいと思います。

事業年度

よく、12月決算とか、3月決算とか耳にするかと思いますが、1年のサイクルをどの月を基準にするかということです。自由に決められます。

一般的には、12月か3月の会社が多いですが、他の月でも問題はありません。3月決算とかは集中しがちなので、税理士の方のお手すきの時期を狙って、そうではない月を設定する会社さんもあるみたいです。

出資額

会社のお金は社長のお金ではなく、「法人」という、人格のお金です。なので、設立をする際に、代表取締役などの、創業者でいくらくらい出資するか(法人格にいくらのお金を渡すか)を決めておきましょう。

上記がだいたい決まったら司法書士さんのところへ!

あとは発行可能株式数とか、まだまだ決めなくてはいけないことはたくさんありますが、そこそこ知識が必要だったりする部分もあるので、司法書士さんや必要に応じて詳しい方などに相談しながら決めたほうがいいと思います。

各要素に関して、アドバイスを受けながら決めていきましょう。

早めに印鑑を作っておこう

商号(会社名)を決めたら、印鑑を作っておきましょう。設立の手続きに必要になったりします。その際は、手前味噌ですが、以下のエントリを参考にしてみて下さい。

会社の印鑑を作るときの考え方 : てらもとblog

というわけで

法人の設立前に関していろいろまとめてみました。そういう年齢なのか、業界なのか、最近知り合いで起業する人がちらほら。自分の会社とか、本当にすごいなぁと思います。そんな方々の少しでも力になれれば幸いです。ぼくも頑張ります!(起業する予定は今のところありません)

一番よくわかる会社の設立と運営
辻本郷税理士法人
西東社
2006-06